パステルカラーの恋模様 2

―…


「ここが美園の部屋かぁ~」

「ごめん、ちょっと散らかってて…」



あたしは床に散らばっていた雑誌などを拾いながら言うと、啓ちゃんがベッドに座って隣にあったハートのクッションを抱いて「気になさんな」と笑った。



あたしは適当に音楽をつけた。



何か不思議な感じ。

自分の部屋に啓ちゃんがいるなんて。



思わずくふふと笑ってしまう。

啓ちゃんは思いついたように「あ!」と言った。



「俺、美園の中学ん時の卒業アルバム見てみたい」

「え~何か恥ずかしいなぁ…」



しっぽを振って待ってる啓ちゃんに、あたしは本棚から卒業アルバムを取り出して、手渡した。



そして、啓ちゃんの隣に座った。

パラパラとページをめくっていく。




「美園、何組?」

「3組」

「あ、いた!何だ、あんま変わってないね」

「悪かったね」

「別に悪い意味じゃないって(笑)」



啓ちゃんは片手であたしの髪をくしゃっとして笑った。



「あれ、この写真」

「ん?どれ?」



啓ちゃんが指差したのは、文化祭実行委員のメンバーだった男の子と写っていた写真だった。
< 45 / 98 >

この作品をシェア

pagetop