パステルカラーの恋模様 2
―…
「ここが美園の部屋かぁ~」
「ごめん、ちょっと散らかってて…」
あたしは床に散らばっていた雑誌などを拾いながら言うと、啓ちゃんがベッドに座って隣にあったハートのクッションを抱いて「気になさんな」と笑った。
あたしは適当に音楽をつけた。
何か不思議な感じ。
自分の部屋に啓ちゃんがいるなんて。
思わずくふふと笑ってしまう。
啓ちゃんは思いついたように「あ!」と言った。
「俺、美園の中学ん時の卒業アルバム見てみたい」
「え~何か恥ずかしいなぁ…」
しっぽを振って待ってる啓ちゃんに、あたしは本棚から卒業アルバムを取り出して、手渡した。
そして、啓ちゃんの隣に座った。
パラパラとページをめくっていく。
「美園、何組?」
「3組」
「あ、いた!何だ、あんま変わってないね」
「悪かったね」
「別に悪い意味じゃないって(笑)」
啓ちゃんは片手であたしの髪をくしゃっとして笑った。
「あれ、この写真」
「ん?どれ?」
啓ちゃんが指差したのは、文化祭実行委員のメンバーだった男の子と写っていた写真だった。