パステルカラーの恋模様 2
「びぞの、でぃっじゅ……」
「あー、ハイハイ」
あたしはしょうがないなぁと鞄を探り、ティッシュを手渡してあげた。
ちーんっと鼻をかむ啓ちゃん。
目薬を取り出そうと、啓ちゃんが鞄を探りだしたと思ったら、急に「あ!」と声をあげた。
「どした?」
すると啓ちゃんは手に取ったものを持ち上げて、思い切り立ち上がった。
「あったぁーーっ!」
それは、紛れもなくチャリ鍵!!
「おおっ!」
鍵に太陽の光が反射して、キランっと光った気がした。
啓ちゃんは、「よかったぁ~」と笑って、ちゅっと軽く鍵にキスをしてから、鍵穴に差し込んだ。
うっ!
うらやましいぞ、鍵!
あたしはちょっと顔を火照らせながらも、「じゃ、行こっか」と笑った。
すると、啓ちゃんがイタズラっぽい笑顔であたしを見た。