パステルカラーの恋模様 2
てなわけで。


「いただきまーす」

「どんどん食べてね!」



お母さんがニコニコ啓ちゃんを見つめる中、啓ちゃんは美味しそうに顔をほころばせた。

「美味しいです!」


めちゃめちゃ好青年らしい笑顔に、お母さんはまた「まぁ」と微笑んだ。

たまごの優しい味と、啓ちゃんの笑顔で、あたしも笑った。



ふふ、食べてる時の啓ちゃんって何か可愛いよなぁ。


ん?


「ちょっと孝也、野菜も食べなさいよ」

「食べてるよ…!」


育ち盛りの小学生。
孝也はお肉ばっかりで、野菜に箸がのびない。

好き嫌いが多いからいつまでもチビのまんまなんだよ。



「野菜食べればイケメンになれるかもよ」

「え?!」


おっとぅ。
これはちょっときいたかな。


孝也はちゃんと野菜に箸をのばす啓ちゃんをガン見。

啓ちゃんはハッとして、春菊を口に運んでガッツポーズ。



結局、孝也はうなってから、ネギをばくっと口に入れてぎゅって目をつぶった。


「おっ、えらい」


啓ちゃんが孝也の頭を撫でると、孝也はちょっと照れながら、誇らしげにあたしを見た。
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