パステルカラーの恋模様 2
「うん。でも念のため美園も覚えといて」
念のためって、進歩ないっちゅーの!
「あのねぇ、啓ちゃ…」
「美園、置いてくよ~」
気がついたら、もう入り口に向かって歩き出していた啓ちゃん。
いつのまに!
ポケットに手を突っ込んで、早くと笑っている。
はぁ、やっぱもう啓ちゃんにはかなわないや。
沢山立ち並ぶDVD。
新作、旧作とも今日は半額だから、店内はかなり混雑している。
選んでいる内に二人バラバラになった。
あたしは、前から見たいと思っていたコメディーを選んだ。
やった!最後の一個だよ!
あたし、なぜかこういう運は結構あるんだよなぁ。
さて、啓ちゃんは選び終わったかなっと。
見つけた啓ちゃんは、ある一角で、二つのDVDを持って悩んでいた。