パステルカラーの恋模様 2

「啓~っちゃん!何選んだの?」



あたしは啓ちゃんの肩に顔を乗せて、そのDVDを覗き込んだ。

啓ちゃんは険しい顔をして、



「サスペンスか…、ラブストーリーか…」



とぶつぶつ言って悩んでいる。




啓ちゃんは、そこで?!って所で優柔不断になる。

(最近、発見した)



啓ちゃんは「美園!後ろに隠して、右か左かってやって!」と、あたしにDVDを押し付けた。


あたしは「オッケ~」と了解して、それらを後ろに隠し、2つをごちゃまぜにした。




「はいっ!どっち?」



啓ちゃんは顎に手を当てて、「うーん…じゃあ、左!」と答えた。




「じゃーんっ」とあたしがDVDを出すと、それはラブストーリーの方だった。

ところが啓ちゃんは言った。




「う~…やっぱり、サスペンスにする!」



はー?!

意味なーっ!




てなわけで、コメディーとサスペンスを借りて、あたし達はほくほくとお店を出た。

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