君と図書室で
ガラッ.....



図書室の扉が開かれる音が響くと同時に、俺の鼓動はその日の最高速度を叩き出す



一番好きな時間であり、一番苦しい時間


そんな俺の事なんて気付く訳もなく、たった今入って来た人物はそそくさと本棚の影へ隠れてしまった



それに少しの安堵の溜め息を吐く


だけど、その安堵の気持ちは少しの間だけで



すぐに後悔やらなんやらの負の感情が俺の心の中で渦巻く



「はあ....」


溜め息でその感情を追い出そうとしても更に気持ちが落ちるだけだった



俺がこんな事になっている原因は一つ学年が下の、後輩



時塚 綾乃さん



さっき入ってきた彼女だ





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