君と図書室で
彼女を意識し始めたのは約一年前の事


俺が二年生の時だ



二年の時も図書委員だった俺はその日もいつも通りカウンターで本を読んでいた



黙々と本を読んでいた俺は少し首を休める為、下げていた視線を上にあげた


その時ふと目に止まったのがカウンターの前の机で本を読んでいる時塚さん


真剣に本に目を通す彼女



その瞬間から何故か彼女から目が離せなくなった



そのままただ彼女を見つめているとこちらの視線に気付いたのか彼女がこちらを見た



そして交わる視線


ドクン、と酷く鼓動が高鳴った




たげど、興味がなくなったのか

少しの間交わった視線はまた下の本へ移った


その時何故か残念に思ったのを覚えている



その日から彼女を見つけるたび勝手に目が追うようになり、いつの間にか彼女の事が好きなんだと自覚した






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