君色Diary
「…………」


「…………」



……えっと……。



続く沈黙。

図書室には、あたしと水原くん以外、誰もいなくて。



「えっと、水原くんって、頭いいんだね!あたし、数学に関しては、毎回ビリ争いしてて……」


「べつに、空でいいよ。白崎、雰囲気的に、苗字で呼ぶの苦手そうだし。で?やらないの?」



なんとか沈黙を破ろうと話しかければ、あたしの手元にある課題を眺めながら、そう言われる。


確かに、人のことを苗字で呼ぶのは、なんとなく性に合わないけど……。

それが分かるなんて、すごいなぁ…。


そして、そんなことを思いながら、水原くんの言葉に慌てて課題を広げれば、不意にクスッと笑われた。

驚いて隣を振り向けば、クスクスと笑いながら見つめられて。



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