君色Diary
「あたしはいいけど……陽向くん、葉月と一緒じゃなくてよかったの?」


「いや、一緒がよかったけどだな……!でも、その……ごめん、ななみん、空と乗りたかっただろ……?」



顔を上げた陽向くんは今にも泣き出しそうで。


空くんと乗りたかったのは確かだけど……。

でも、それを言う前に、まず陽向くんがおかしい……。

葉月と一緒がいいのに、なんであたし?



「えっと、陽向くん?なんで葉月と乗らなかったの?」



迷っても仕方ないと思ったあたしは、単刀直入にそう言って、陽向くんをジッと見る。

すると陽向くんは深いため息をつくと、ゆっくりと口を開いた。



「……こういう静かな空間に二人きりだと……言っちゃいそうで、さ……」


「……はい?」



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