君色Diary
「どうしよう……。葉月があの日から悩んでたなんて……」


「いや、あの時はまだ、そこまでじゃなかった。軽く首傾げてるくらいで、逆に七海のことを気にかけてるみたいだったけど」


「えっ、あたし!?」



淡々と話を続けていく空くんに、頭が追いつかなくなってくる。


えっと……?

ってことは、遊んだ日にはちょっと気になるくらいだったけど、日が経つにつれて、段々意識してきたってこと?

でも、その日に少しでも寂しく感じてたのは、間違いないんだよね?



思わず頭を抱えれば、ポンポンと頭をなでられる。

それに顔を上げれば、空くんは優しく笑っていて。



「そんなに難しく考えるなって。遊んだ日は、本当にすぐどうでもよくなった感じだったし。七海は単純さが取り柄なんじゃないの」


「……でも」


「あー、もう。七海は変なこと考えずに、これでも食っとけ。葉月には、案外単純な答えの方が効くんだから」


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