君色Diary
「知ってるか、七海」


「え?なにが?」




頭に置かれた手に、ドキドキと隣へ視線を移せば、真剣な瞳でジッと見つめられる。

それにさらにドキッと胸が音を立てたと思えば、空くんはパンの袋を指差して。



「そのパン、あと数分で賞味期限が過ぎるんだ。だから早く食べないと……ヒドイ腹痛になる」


「えっ、ウソ!?」


「うん、ウソ」



驚いたあたしを見て、空くんは満足そうに微笑む。

あたしはそんな空くんにポカーンとした表情を向けて。



「空くんのバカ!騙した!」


「はいはい、ごめんなさいね。単純おバカな七海さん」


「バカって増えたー!!?」



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