君色Diary
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「ふぅ……これでいいかな?」
渡されたジャージに更衣室で着替えて、全身を見てみる。
これ、葉月のだから……丁寧に扱わないと…。
ちょっと大きいけど、半袖だし、大丈夫だよね。
ていうか、あたし、なにしたらいいんだろ?
そんなことを考えながら、ガチャッとドアを開く。
すると、Tシャツと短パンに着替えて、外で待っていてくれた空くんが顔を上げた。
「着替えた?んじゃ、行きますか」
「うん。……って、空くん、その着替え、どうしたの?」
「陽向の予備をひったくってきた」
風見先生のもとへと歩きながら話しかければ、しらっとした顔で、そう答える空くん。
その表情はいかにも面倒くさそうで、あたしは思わず苦笑した。