君色Diary
「はっ……はぁ……」



息を切らしながら階段を駆け上がる。

見えてきた図書室のドアを勢いで開くと、あたしはその場にペタンと座り込んだ。



「……逃げてきちゃった……」



ドクンドクンとうるさく鳴り響く胸。

荒い息を整えようと、ゆっくりと深呼吸をして。

それでも、不安に覆われた胸は落ち着かなくて。


わからないこと、気にしてもしょうがないのに……。

でも、あれ以上あそこにいたら、絶対嫌なことしか考えられなくなる……。

茉莉花ちゃん、可愛くて、優しそうな子だったのに……。

不自然だったよね……。

……悪いこと、しちゃったな……。



「……って、暗くなったらダメだって!今日はいいこと多かったんだから!!日記書こう!!」



ペシペシと頬を叩いて、「よしっ!」と立ち上がる。

そしてカバンを開いて手帳を出せば、今日の日付を開いて。


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