君色Diary
*第四章*

藍色の髪留め


「あっ、白崎さんだぁっ!」


「茉莉花ちゃ……わっ!」



ガラッと図書室のドアを開ければ、嬉しそうに、いち早く反応してくれる茉莉花ちゃん。

それに笑顔を返そうとすれば、ガバッと抱きつかれて。



「おい、泉。体格的には泉の方がデカイんだから、勢いよく七海に抱きつくな。いくら七海が頑丈でも、危ないだろ」


「……はーい…」



なんとかこけるのを阻止すれば、茉莉花ちゃんの後ろから顔を覗かせた空くん。

茉莉花ちゃんは空くんの言葉にシュンとしながら返事をすれば、とぼとぼと元いたイスへと戻っていった。

あたしはというと、突然の抱擁に驚きながらも、こけなかったことに安堵のため息をついて。

そんなあたしを見た空くんは、申し訳なさそうに笑った。


< 177 / 373 >

この作品のキーワード

この作品をシェア

pagetop