君色Diary
「ごめんな、七海…。毎度毎度、泉が言うこと聞かなくて……」


「……ううん。大丈夫だよっ。気にしないで?」



あたしがそう言えば、空くんは「ありがとな」と言って、ぽんぽんとあたしの頭をなでる。

そしてイスに座る茉莉花ちゃんの元へとすぐに戻って。

あたしは寂しさを感じながら、空くんの正面に座った。



茉莉花ちゃんと知り合ったあの日の翌日。

いつも通りに空くんと葉月たちの部活終了を待っていれば、突然ガラッと開いたドア。

驚いてドアを見れば、不安そうに図書室をのぞく茉莉花ちゃんがいて。

空くんに聞いた話によると、二人は幼馴染らしく。

茉莉花ちゃんは、生まれつき、体が弱かったらしい。

それで学校も休みがちで、夏休みの今、補習を受けてるみたい。

それからというもの、茉莉花ちゃんも図書室に来るようになった。

そしてそれは、夏休みに入った今でも、続いている。

でも、葉月たちが来るまで図書室に残ることはなくて。



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