君色Diary
「もうすぐ葉月たち、部活終わるね。帰る用意、しよっか」


「ん?あ、もうそんな時間か……」



あたしが立ち上がると、空くんもハッとして立ち上がる。

そして図書室を出ようとすれば、ちょうど葉月と陽向くんが揃って来て。



「よしっ、空!早く行こうぜ!!」


「陽向ってば、そんな急かさないの!」



空くんと陽向くん、葉月とあたしで、並んで歩く。

ここで空くんとの会話はおしまい。

この後は葉月の相談を受けるだけ。


事実上両想いの二人は、前より距離はグンッと近づいたものの、お互いに告白してないから、まさしく、友達以上、恋人未満な状態で。

陽向くんは「葉月が、より可愛くなった!」、葉月は「陽向の笑顔がより増えた!」なんて、嬉しそうに毎日報告してくる状態。

それなのに、両想いという事実を知らない二人。

だから、今、こうして葉月と歩いてるときも、話の内容が陽向くんに聞こえないようにと、十分すぎるほど距離があいていて。


あたしは気づかれないように、小さくため息をついた。



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