君色Diary
「え……?あれ、茉莉花ちゃんは……」



視界に入ってきたのは、いつもの位置に座る空くんひとり。

周りを見渡してみても、茉莉花ちゃんはいなくて。



「泉は朝から補習。で、午後から用事あるらしいから、たぶん今日は来ないと思うけど?」


「あ、そうなんだ……」



空くんはそう言うと、立ち上がってあたしの元へと近づいてくる。

それだけで、あたしの体は急に緊張しだして。


“二人きり”


久しぶりのそんな状況に、ドキドキと胸がうるさく鳴り響く。


なんで……?

前は、こんなに緊張しなかったのに……。

なんでこんなに、ドキドキするの……?


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