君色Diary
「あ、の……空く……」


「……なんか、久しぶり」



空くんはそう言うと、ぽんっとあたしの頭に手をのせる。

そのままぽんぽんっと頭をなでれば、空くんは満足そうに笑って。



「最近、泉ばっかりで、七海とあんまり話せなかったしな。バスケのときは、陽向の葉月話に付き合わされるし……」


「あ、あたしも葉月の陽向くん話、聞いてる……」


「あ、やっぱり?二人とも、両想いなのにな」



空くんは苦笑しながらそう言えば、座っていたイスに、ドカッと腰を下ろす。

あたしも空くんの後に続けば、そこでピタッと止まって。


……どっち、座ったらいいんだろ……。


これまで座っていた席は、空くんの隣。

でもそれは、茉莉花ちゃんが来てからというもの、彼女の位置と化していて。

いつ来ても、空くんの隣は茉莉花ちゃんが座っていたから。

代わりにあたしの席は、空くんの正面で。

茉莉花ちゃんを知った今、あたしの席は、正面の方が適切な気がして。


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