君色Diary
「……おい、ななみん……お前、いつからこんなに、賢くなったんだよ……。俺、試合近くて免除されたけどよぉ……」




課題をペラペラとめくりながらそう呟いたのは、瀬戸 陽向くん。

バスケ部のエースで、この学校にもバスケの推薦で入った程の、実力の持ち主。

そして同時に、毎回、数学の定期テストで、あたしと共に、最下位争いをしてる仲間でもある。

ちなみに、“ななみん”っていうのは、あたしが風見先生を“かざみん”って呼んでるところから来てるらしい。



「へっへーん!すごいでしょ!もう陽向くんには負けないから!」


「いや、俺だって、本気を出せばこのくらい……!」


「……お前ら、低レベルな争いすんなよ……」




得意げな顔をすれば、悔しそうにあたしを見る陽向くん。

すると、イスに座るあたしと、机の端で立つ陽向くんに挟まれていた空くんが、呆れたようにため息をついた。


陽向くんの隣では、葉月も呆れたように笑っていて。



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