君色Diary
「ごめんね……。あたし、もう帰るね」
「ちょ、七海……!」
俯いたまま、そう言って立ち上がれば、パシッと腕をつかまれる。
灰色の空は、今にも雨が降り出しそうで。
「待てって……!いきなりどうして……」
「いきなりじゃない……!!」
思わず叫んだ声は、思ったよりも大きく響いて。
バッと顔を上げれば、驚いた表情の空くんと目が合った。
その拍子に、涙があふれて。
「……いきなりじゃ、ないよ……。茉莉花ちゃんが来てから……いいことなんて、ひとつもない……」
スルッと離れた手。
あたしは呟くようにそう言うと、空くんに背を向けて走った。
涙でぬれた頬を、振り出した雨が、さらに濡らして。
「ちょ、七海……!」
俯いたまま、そう言って立ち上がれば、パシッと腕をつかまれる。
灰色の空は、今にも雨が降り出しそうで。
「待てって……!いきなりどうして……」
「いきなりじゃない……!!」
思わず叫んだ声は、思ったよりも大きく響いて。
バッと顔を上げれば、驚いた表情の空くんと目が合った。
その拍子に、涙があふれて。
「……いきなりじゃ、ないよ……。茉莉花ちゃんが来てから……いいことなんて、ひとつもない……」
スルッと離れた手。
あたしは呟くようにそう言うと、空くんに背を向けて走った。
涙でぬれた頬を、振り出した雨が、さらに濡らして。