君色Diary
「葉月……!なんでいきなり……」


「心配だったから、来ちゃった」




お兄ちゃんに促されて部屋に入ってきた葉月は、そう言うとポスッとあたしのベッドに腰掛ける。

家に帰らずに来たのか、葉月は制服に、部活用バッグを持っていて。



「大丈夫?熱、下がった?」


「うん……。まだ微熱はあるけどね」



あたしがそう言うと、葉月は少しホッとしたように微笑む。

そして、急にバッグの中を探り出すと、「はいっ」とあたしの手に何かを置いて。



「なに、これ?」


「陽向からのお見舞い品だよ」



なんだろうと開いた手には、小さなキャラメルがコロンと転がっていた。


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