君色Diary
「七海、月曜に休んだとき……私にしか、メールしなかったでしょ?」


「え?あ……、うん……」


「それからだよ。空がぼーっとし始めたのって」



考え込むあたしに、葉月はいたずらっ子のような笑みを優しく浮かべると、クイズを出すときのような口調で話す。


月曜日……たしかにあたしは、葉月にだけメールを送った。

それも、“熱が出たから、学校行けない”という内容の、シンプルなメール。

本当は、空くんにメールをするべきなのはわかってる。

でも、そのときのあたしは、空くんにメールするだけの勇気がなくて。

それは、今でも変わらない。

何度も謝ろうと、ケータイに触れたものの、名前を見ただけで、手が震えて。

結局、メールを打つことさえままならないまま、今日まで来てしまった。



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