君色Diary
「……色ペン、使わないの?」



黙ったまま日記を見るあたしを見て、葉月が静かに聞く。

それにあたしは、ゆっくりと首を横に振った。



「………使えないの」



何度も、色ペンを使おうと試みた。

でも、明るい色で書こうとすれば、手がうまく動かなくて。


書けない理由はわかってる……。

だって……日記の中に、空くんが出てこないんだから……。


パラパラとめくって、今までの日記を見る。

その中で、一段とカラフルなページを開けば、どれも空くんのことが楽しげに書いてあって。


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