君色Diary
空くんのいない日記は、物足りなくて。

書いていたら、切なくなる。

さらには、茉莉花ちゃんのことまで思い出して。

また逃げそうになるのを、必死にこらえて書いてきたけど……。


もう……つらいよ……。


俯いて、キュッと手帳を握り締める。

すると突然、ガッと両肩をつかまれた。

驚いて顔を上げると、葉月はキッとあたしを見て。



「べつに……逃げたっていいじゃない!」


「え……?」


逃げてもいい……?



葉月の言葉に、思わずきょとんとした顔で見つめ返す。

葉月はそんなあたしを気にもせず、そのまま続けて。



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