君色Diary
橙色の気持ち
「……すー……はぁぁぁ……」
体の中の空気を、全部入れ替えるくらいの気持ちで、大きく深呼吸する。
目の前には、早朝の朝日に照らされている、五日ぶりの学校があって。
なんか……久しぶり、だな……。
まぁ、夏休みなんだし……一ヶ月近く学校に来ない方が普通なんだけど……。
いつもくる時間より、かなり早めの時間。
きっとまだ、空くんは学校に来ていない。
そうわかっていても、“もし会ったら…”という緊張が抜けない。
「……うだうだしても、しょうがないよね」
あたしは、朝日に照らされる髪留めに触れると、真っ直ぐに体育館へと向かった。