君色Diary
「そ、なんだ……」



小さく呟いた瞬間、ある考えが浮かび上がる。


空くんは、部活中、ずっと体育館にいたって言ってた……。

ってことは、二人が会ったのは、学校外ってことで……。


考えたくない予想が、頭の中をグルグル回る。

ドクドクと、胸の鼓動は速くなっていって。

苦しくなる胸。

それをそっと押さえる。


ダメ。

悪いことは、考えちゃダメ。

次に落ち込んでいいのは……空くんに、振られたときだけ。


スーッと息を吸って、ゆっくりとはく。

そしてパッと茉莉花ちゃんの方へと向けば、茉莉花ちゃんも、あたしの方を見ていて。


“話があるの”


そう言って、もう直球で聞いてしまおうと思った。

どんな答えが返って来たにしろ、空くんに振られない限りは、この気持ちは無くせそうにないから。

でも、先に口を開いたのは、茉莉花ちゃんの方で。



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