君色Diary
「でしょ?二人とも中学のとき、エースだったからね。まぁ、空は“高校はのんびりしたい”とか言って、部活には入らなかったけど」


「空くんも、エースだったんだ……」


「うん。でも部活に入らなくても、陽向の練習相手にされてるけどね。しかも、嫌な顔しながらも、ちゃんと図書室で部活終わるまで待ってるんだよ」



毎日、毎日、何も言わずとも、放課後は図書室にいた空くん。

もちろん、あたしの課題を見るって約束もあるだろうけど、

風見先生が唐突に行ったときも、確かにいた。

それにいつも本を読んでいて、文学少年なんだと思っていた。


だけど本当は、陽向くんの練習相手するために待ってたんだ……。

だからかざみん先生とも、バスケ繋がりで、仲良いのかな?

なんだかんだ言って、空くんは優しいんだね……。


空くんを知るたびに、じんわりと暖かくなる心。

そのたびに、もっと空くんのことを知りたくなる。

まだ知り合って、一週間。


だけどあたしの心は、もう、空くんのことで、いっぱいだよ……。



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