君色Diary
「もし……空と何かあったなら、仲直りしてください……。私、二人には笑っててほしいんです……」



そう言った途端、今にも泣き出しそうな顔をする茉莉花ちゃん。

目には涙がうっすらと浮かんで。



「えっ……え!?ま、茉莉花ちゃ……ど、どうし……」


「なんで……っ、せっかく、お互い苗字で呼んで……誤解されないようにしてたのに……。白崎さん、空のこと、好きじゃないんですかぁぁ……」



驚いてうろたえれば、ポロポロと茉莉花ちゃんの目から、涙があふれだす。

それに更に驚けば、あたしは慌てて、ポケットに入っていたティッシュを差し出して。

茉莉花ちゃんは、それを受け取ると、グスッと鼻をすすりながら、涙をふく。

その間、あたしは呆然としていて。


誤解されないようにって……どういうこと?

っていうか、あたしが空くんのこと好きなの、バレてる…!?

茉莉花ちゃん、泣き出しちゃうし、どういうこと…!?



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