君色Diary
「えっと、つまり……整理すると……」



茉莉花ちゃんの話によると、とりあえず、あの容姿を持ちながらも、空くんは一度も彼女がいたことがないらしくて。

それは茉莉花ちゃんが空くんに頼ってばっかりなせいで……。

しかも空くんも、病弱な茉莉花ちゃんを気遣って、よく話やワガママを聞いてくれてたらしい。

その結果、空くんに告白したりする人もいなくて、ただ影から熱い視線を受けるだけだったとか。

中学では、最初はお互いに名前で呼んでいたけど、誤解される回数がハンパじゃなかったらしく、人前では、苗字で呼ぶようになったみたい。



ってことは、あたし……すごい勘違いしてたってこと?

それで空くんに八つ当たりみたいに話して、さらには茉莉花ちゃんのこと、悪く思って……。

……最低だよ、あたし……。



「茉莉花ちゃん……ごめんね……」



俯きながら、頭を下げる。


茉莉花ちゃんは、邪魔どころか、あたしの応援してくれてたのに……。

勝手に思い込んで、“いいことなんてない”なんて言って……。

< 295 / 373 >

この作品のキーワード

この作品をシェア

pagetop