君色Diary
「それに白崎さんは、私に対してそう思ってても、優しく接してくれましたし。昔から女の子の友達って少なかったから、嬉しかったんですよ」



茉莉花ちゃんは嬉しそうに微笑むと、「もっと早く言えばよかったですね」と苦笑に変わる。

あたしはその言葉と笑顔に、そっと俯いて。


なんで……あたしの周りは、こんなにいい人ばっかりなんだろ……。

なんで、笑って許してくれるの?

なんで、怒らないの?

なんで、こんなに優しいの?


じんわりと、悲しみとは違った、うれし涙が浮かぶ。

俯きながら、そっと茉莉花ちゃんの手に触れて。



「……ありがとう」



あたしがそう言えば、茉莉花ちゃんはにっこりと笑った。



< 297 / 373 >

この作品のキーワード

この作品をシェア

pagetop