君色Diary
「…っあ!そ、空じゃないですよ!?私の…その、好きな人……年上なんで……」



頬を染めて恥ずかしそうにする茉莉花ちゃんは、見ていてとても可愛くて。

思わずジッと見つめていれば、慌てたように口を開く。

それもまた可愛くて、あたしはつい、クスッと笑った。



「あっ、わ、笑わないでくださいよーっ!これでも、学校早めに帰って、その人が働くお店、見たりして頑張ってるんですから!」


「ご、ごめん、ごめん……」



「もうっ」と頬を膨らます茉莉花ちゃんは、本当に可愛くて。

あたしが男の子だったら、絶対に好きになるんじゃないかってくらい。


っていうか、その好きな人が働くお店、見に行くくらいなんだ…。

だからいつも、あたしたちより30分くらい、早く帰ってたんだね……。

すごい、努力……。


そのとき、サァッとふいた、涼しい風。

それに揺れた髪を茉莉花ちゃんが整えようとすれば、キラッと光に反射するものが見えて。


あれ……?

今のって……。



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