君色Diary
「茉莉花ちゃん、ちょっといい?」


「え?あ、はい……なんですか?」



あたしは膝立ちで移動すると、きょとんとする茉莉花ちゃんの後ろに回る。

そして、その長い綺麗な髪を留めているものを見ると、あたしはピンッと頭にある考えがひらめいて。

長い髪を、ハーフアップでまとめていた茉莉花ちゃん。

その髪は、後ろで綺麗にまとめてある。

だから、今まで気づかなかった。

見たことのある、薄紫色のバレッタがその髪を留めていることに。



これ、お兄ちゃんに連れて行ってもらったお店で、売ってたバレッタだ……。

しかも、あたしが見てたやつと同じ……。



「ね、茉莉花ちゃん……これ、どうしたの?」


「え?あ、そのバレッタですか?それは……好きな人が、くれたんです」


「……年上の?」



そう聞きながら、段々、胸が楽しそうに弾んでいく。


もしかしたら……。


そんな考えが、止まらなくて。

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