君色Diary
「そうなんですっ。これ、ずっとほしくて。でもそれが売ってるお店、値段がちょっと高くて……」


「うん……」


「好きな人、美容師なんですけど……そのこと言ったら、ヘアアクセだったせいか、“どこのお店?”って聞かれて」


「うんっ……」


「教えたら、この前美容室行ったときに、“お店教えてくれたお礼”って言って、何も言ってなかったのに、ほしかったこれをくれたんですっ」



本当に嬉しそうに。

茉莉花ちゃんは、興奮した様子でニコニコと笑いながら話す。

それにあたしも笑顔を返して。


たぶん、間違いない……。

茉莉花ちゃんの好きな人は……。

だって、美容室で、近くにこんなのが売ってるお店があるところなんて、限られてるもん……。


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