君色Diary
「これをもらったとき、ちょうど落ち込んでたときだったんです。好きな人が、女の子と歩いてるのを見かけて……」



ぽそっと呟くように言う茉莉花ちゃん。

その言葉に、開きかけた口を閉じる。


女の子……?

誰だろ……?

彼女はいなかったはずだけど……。



「ちょうど一週間前のことですね。夜に偶然、その人が働く美容室の前を通ったんです。そしたら、女の子と歩いてるのが見えて……」


「………あ」



少し悲しそうに微笑みながら話す茉莉花ちゃんに、聞こえないように声をもらす。


一週間前って、あたしが美容室まで迎えに行った日……。

じゃあ、女の子って……もしかして、あたし…?



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