君色Diary
「それで、私も嫌なことしか考えられなくて。次の日、美容室に行って、確かめようとしてたんですけど、行く前から気になって、補習もぼーっとしちゃって」


「…………」


「それで先生にも注意されて、お昼にちょうど来た空に、泣きついちゃって。でも、美容室で話聞いたら、“妹だよ”って。そのこと話したら、空に呆れられちゃいました」



苦笑する茉莉花ちゃんに対して、あたしはポカンと口を開く。

頭の中では、先週のことが一気に整理されていって。


すごい……。

こんなすれ違いってあるんだ……。

あたしの思い込みってば、考えてみれば、すごいバカバカしかったってこと…?



「あのね、茉莉花ちゃん……」


「はい?」


「茉莉花ちゃんの好きな人……海斗って名前?」


「え……えぇっ!?」



確認するためにそう聞けば、茉莉花ちゃんの目が大きく見開かれる。

そして“信じられない”とでもいいたげな表情で見つめられて。



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