君色Diary
「そ、そうです!海斗さんです!でも、なんで知って……」


「その人、あたしのお兄ちゃんだから……。一緒に歩いてた女の子は、たぶん、あたしだよ」


「えぇっ!!?」



驚いて、目をパチパチとする茉莉花ちゃんに、思わず笑ってしまう。

だって、ホントにバカバカしくて。

もっと茉莉花ちゃんと話していれば、あんなすれ違いは、一切起こらなかったってことで。


あたしがお兄ちゃんを迎えに行った日。

その日に、お兄ちゃんがお店に連れて行ってくれたのを、茉莉花ちゃんが、偶然目撃して。

それに不安を感じた茉莉花ちゃんは、花火大会のことを聞きに行った空くんに泣きついて。

そして、空くんが茉莉花ちゃんを慰めているところに、あたしは遭遇。

その後、美容室に行った茉莉花ちゃんは、誤解を解いたわけで。


考えてみれば、お店に行った日、お兄ちゃんも“買いたいものがある”って言ってた。

そのことを、全部説明すれば、茉莉花ちゃんは、しばらくポカンとして。



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