君色Diary
「……空く、……!?」


「ははっ。七海、変な顔」




そっと目を開けて顔を上げれば、むぎゅっとつままれた頬。

驚いて空くんを見れば、楽しそうに笑っていて。

ぐにぐにと、両頬をつままれて遊ばれる。

一見痛そうに見えなくても、それは地味に痛みを感じて。



「……いひゃい……」


「七海が悪い」



怒っていないようで、実は怒っているのか。

思わず呟けば、空くんは意地悪そうにニヤリと笑う。

そして頬はぐにぐにとされ続けて。


空くん、やっぱり怒ってたんだ……。

そりゃ、茉莉花ちゃんは、大事な幼馴染だもんね……。

笑って許してくれるなんて、そんな気のいい話があるわけ……



「これは、俺に心配かけた罰」



………へ?


……心配……?



< 314 / 373 >

この作品のキーワード

この作品をシェア

pagetop