君色Diary
「えっ……そ、空くん……っ」


「七海がわからないなら、それだけのことだったってことだろ?じゃあ、もういい」



空くんは冷たくそう言うと、ガタッと立ち上がる。

そしてそのまま、図書室から出て行こうとして。


違う……。

そうじゃ、ないのに……!!



空くんを追いかけるように、あたしもイスから立ち上がる。

振り返らない背中に駆け寄れば、バッと手を伸ばして。



「待って……!!」



そう言って引きとめようとすれば、勢いあまってそのまま飛びついてしまう。

その瞬間、「うおっ!?」と驚く空くんの声が聞こえれば、視界がぐらっと揺れて。


ガタンッと大きな音と共に、あたし達は床に倒れた。



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