君色Diary
「……七海?」


「どうでもよくない……。あたしは……っ」



ジッと空くんを見つめる。

ギュッと空くんのシャツをつかんだ手には、力がこもって。


“空くんが好き”



そう言おうと、口を開く。

でも、それをそっと、空くんは手でふさいだ。



「……やっぱ、ダメ」



そう言うと、困ったように笑う。

そしてその手を頭に乗せると、ぽんぽんとなでて。

それと同時に、胸がズキッとした。


なんで……?

言わせてくれないの……?

言うことすらダメなの……?

諦めるしか、ないの……?


不安で、悲しくて、唇が震える。

いつも嬉しく思うはずの頭にある手が、無性に悲しさを感じさせて。



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