君色Diary
*第六章*
虹色の想い
「……熱っ」
くるんと綺麗にカールした髪。
それに“やった”と喜べば、指先がアイロンの熱い部分に触れて。
小さく叫びながら、冷ますように手を振れば、隣からお兄ちゃんが心配そうにあたしを見た。
「大丈夫……?やっぱり、俺やろうか?」
「ううん。自分でできる!」
「でも、せっかく可愛くしてるのに、火傷なんてしたら意味ない……」
「大丈夫だからっ!自分でやらない方が意味ないもん!」
不安そうにあたしを見るお兄ちゃんにそう言うと、あたしは再びアイロンで髪を巻いていく。
慎重に、ゆっくりと……。
そしてくるんっと巻けた髪に笑顔になれば、それはすぐに、小さな叫びと共に苦痛にゆがんで。
「で、できた……!!」
そんなことを繰り返すこと数回。
かなりの時間をかけつつも、やっと髪全体を緩く巻くことに成功した。