君色Diary
「えっ……陽向!?」



その声に、いち早く反応した葉月が、驚いて顔を上げる。

いつの間にか目の前に来ていた陽向くんは、ニッと笑うと「よっ!」と手を上げて。



「二人とも、やっと来たかと思えば、なんか直前で立ち止まるからさ。人いっぱいだし、見失う前に来てみた」


「そ、そうなんだ……」



ニコニコと話す陽向くんに、葉月が恥ずかしそうにしながらも、嬉しそうに返す。

その間、あたしは思わず周りを見渡して。


陽向くんが来てるなら、きっと空くんも……。



キョロキョロと空くんを探してみるものの、なかなか見当たらない。

人、人、人で、気分がおかしくなりそうになる。


どこ……?

もしかして、まだ来てないとか……。



見当たらない姿に、段々と心細くなってくる。

気づけば、葉月と陽向くんも見当たらなくなって。



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