君色Diary
「浴衣、似合ってる。それに……髪型も。自分でやったの?」



空くんはそう言うと、くるんとカールした髪を、自分の指に巻きつける。

それにドキドキしてしょうがないあたしは、ただ頷くことしかできなくて。



「そ、空くんに……告白、するなら、自分でやろうって……」



途切れ途切れに、どうにかそれだけ言えば、恥ずかしくて顔を俯かせる。

落ち着こうと深呼吸しても、ドキドキはおさまらなくて。



……空くん、甘すぎるよ……。

こんなの、あたし……どうしたらいいか、わかんない……。



かぁっと赤く染まった顔を隠したくても、空くんに触れられてるせいで、どうすることもできない。

どうか暗闇で見えませんように、なんて願いながら、ギュッと手を握り締める。

すると、空くんは一瞬だけきょとんとして。



「……ホント、可愛すぎ……」




そんな呟きと共に、近づいた空くんの顔。

それに「へ?」と顔を上げれば、耳のすぐ隣で柔らかなものが触れるのと同時に、ちゅっと小さく音が鳴った。


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