君色Diary
「………っ」
遠くで、何かが打ち上げられる音がする。
一気に近づいた空くんの顔は、焦点が合わないくらい、近くで止まって。
「……んっ……」
そっと、重なった唇。
それと同時に、打ちあがった大きな花火が夜空を照らす。
そっと閉じた瞼の裏には、花火の色が浮かび上がって。
橙色に緑に黄色。
赤に青に紫色も。
色んな色の花火が打ちあがるたび、浮かぶ色に、たくさんの思い出がよみがえる。
恋をして、些細なことで、キュンとした。
片想い同士で、同盟なんか組んでみて。
皆で勉強会もして、数学の成績が上がった。
時には親友の恋の相談のったりして。
自分勝手な思い込みで、いっぱい悩んで。
皆に迷惑をかけた。
でも、皆に応援をしてもらえた。
だから……今の、あたしがあるの。