君色Diary
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「かざみん先生、コレはないですよ…。こんなの、終わりっこないですよ!」
放課後。
職員室へ行けば、渡された問題集。
それに顔を青くしながら先生を見れば、フッとバカにしたように笑われて。
「たかだか1センチの厚さの課題じゃねぇか。安心しろ。中3から高1の問題にしてやってるから。高2のお前ならわかんだろ」
「いやいやいや、無理ですって!あたしがどれだけ数学できないと思って……」
「あー、わかった、わかった!そんなに言うなら、ちょっとついてこい」
必死に訴えかければ、面倒くさそうに立ち上がって、職員室から出て行く風見先生。
どこにいくんだろ……?
重たく感じる問題集。
それを抱えなおすと、あたしはスタスタと歩いていく背中をおいかけた。