君色Diary
「……上出来。よくやったじゃん」



空くんはそう言うと、ポンポンと頭をなでてくれる。

それはいつもよりも、どこか優しくて。


褒めてもらえた……。

数学では、バカにされてばっかりだったのに…。

陽向くんじゃないけど……数学、頑張ってよかった……!!


空くんが笑ってくれたことが嬉しくて、思わずあたしも笑顔がこぼれる。

ギュッと握っていた手もほぐれて、トクン、トクンと、心地よい胸の音がした。



「七海も頑張ったね!陽向も七海も、初めて補習逃れたんじゃない?」



いつの間にか抱き合うのをやめて、隣にきていた葉月。

ニコニコと笑う葉月と目が合えば、“よかったね”と微笑んでくれて。

それにまた、あたしも微笑み返せば、突然、陽向くんが「あのさ」と呟いた。



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