転校生は憧れの人
「それでね。よかったらなずなちゃんにも協力してもらいたいなあって思ってるんだけど」
「協力?」
「そう。憐と両思いになれるように、協力してくれないかな?」
……え?
一瞬頭が真っ白になった。
私の手を掴む彼女の両手から、痛いくらいに伝わる彼女の憐くんへの気持ち。
だけどそれは、私にとって全く考えてなかったことで。
何て返答していいかわからない。
だって。
私も、憐くんが好きで好きで堪らないのに……。
言わなきゃ。ちゃんと、伝えなきゃ。
「弥生ちゃん、あの、私――」
「いい、よね? 友達だもんね私達」