転校生は憧れの人
「そっか。……何かなずな、強くなったね」
「え?」
「自分の気持ち、貫いてるじゃん」
梓ちゃんの笑顔が目に入る。
それが何だか心強くて。
「ありがとう」
「頑張ってね、なずな」
「うん」
私はそう真っ直ぐ返事すると、梓ちゃんと共に集合場所へと向かう。
憐くんが好きって気持ちは、誰にも絶対に負けたくないから。
ギュッと拳を握りしめる。
晴れない心は、今日のこの空と同じ。
今はこの思いを、そっと胸にしまい込んだ。