転校生は憧れの人
「でも、落合くん部活あるんじゃ?」
落合くんはバスケ部に入っている。
しかもキャプテンを務めるほどの実力の持ち主だ。
それなのに、部活に行かなくていいのかな?
「1時間くらいだったら大丈夫。部活は他の皆にまかせてあるし、顧問も文化祭の練習だって言ったら、頑張れだって」
「そうなんだ」
「一ノ瀬さんは、部活大丈夫?」
「えっと、放課後先生に訊いてみるね」
「了解」
落合くんは、“じゃあ”と手を振ると、自分の席に戻っていった。
「早く席に着けー」
教卓に現れた担任はコホンと咳払い。
そしてSHRは始まった。