転校生は憧れの人
「……憐?」
「やるに決まってんじゃん」
……え。
えぇぇーーーっ!
やるって、憐くん正気なのそれ!?
「そうか、そうか~。んじゃあ、最後まで頑張
るんやぞ、王子様!」
「当然」
滝川くんの挑発的な笑みにも負けず、憐くんはニッと口角をあげた。
「きゃーっ! なずなちゃん、羨まし~い」
「高月くんなら、絶対似合うよ」
「いいなぁ~」
次の瞬間、女の子達の黄色い声が幾重にもあがる。
でも、今の私にそんな声が耳に入る余裕なんて、少しもなかった。