転校生は憧れの人



「……憐?」


「やるに決まってんじゃん」



……え。


えぇぇーーーっ!


やるって、憐くん正気なのそれ!?



「そうか、そうか~。んじゃあ、最後まで頑張
るんやぞ、王子様!」


「当然」



滝川くんの挑発的な笑みにも負けず、憐くんはニッと口角をあげた。



「きゃーっ! なずなちゃん、羨まし~い」


「高月くんなら、絶対似合うよ」


「いいなぁ~」



次の瞬間、女の子達の黄色い声が幾重にもあがる。


でも、今の私にそんな声が耳に入る余裕なんて、少しもなかった。




< 153 / 309 >

この作品をシェア

pagetop