転校生は憧れの人



それからの私は、“楽しむこと”それだけで動いていた。


動物役、こびと役、木……皆と舞台に立っているだけで、素敵な気分になる。


どうしよう、本当に楽しい。


――そして、場面はいよいよクライマックスへ……。



「し、白雪姫!?」


「嘘だ……嘘だよ」


「白雪姫ぇ~~!」



毒リンゴを食べた私は、静かに床に倒れている。


それを発見したこびと達によって、私は棺の中へと運ばれた。



「うぁ~ん、白雪姫ぇ~! 白雪姫が死んじゃったよー!」



こびと達の泣きの演技。


吉野くんの特訓によって、かなり素晴らしい出来になっている。


そして……。



< 159 / 309 >

この作品をシェア

pagetop