転校生は憧れの人
それからの私は、“楽しむこと”それだけで動いていた。
動物役、こびと役、木……皆と舞台に立っているだけで、素敵な気分になる。
どうしよう、本当に楽しい。
――そして、場面はいよいよクライマックスへ……。
「し、白雪姫!?」
「嘘だ……嘘だよ」
「白雪姫ぇ~~!」
毒リンゴを食べた私は、静かに床に倒れている。
それを発見したこびと達によって、私は棺の中へと運ばれた。
「うぁ~ん、白雪姫ぇ~! 白雪姫が死んじゃったよー!」
こびと達の泣きの演技。
吉野くんの特訓によって、かなり素晴らしい出来になっている。
そして……。